“鳴く虫”専門店 〜鳴く虫処 AkiMushi 〜

 

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ホーム道具・用語集〔鳴く虫一般〕

虫盒〔チュウゴウ〕

    ←飼育の様子

ヒバリ用の飼育ケースですが、虫盒を知ってもらう前にはまずヒバリ類について知ってもらわなければなりません。ここでいうヒバリ類とはいわゆる“鳥”のヒバリではなく、クサヒバリ・キンヒバリなどの“ヒバリモドキ亜科”の鳴く虫のことで、その名からも想像できるように素晴らしい鳴き声の虫達です。現代の日本では、スズムシやマツムシに比べると遥かに知名度は劣りますが、“小泉八雲”などの著名人もこの声を愛して止まなかったそうです。一方の中国では、その鳴き声の美しさは多くの人の範疇にあり、最も好まれている鳴き虫の一つとなっています。詳しい年代は分かりませんが、かなり古い時代からヒバリ類の鳴き声に魅了されていた中国の人々は、いつしかこの音色から逃れられなくなりました。そこで、何処でも声が聞けるようにと、ヒバリの入った飼育箱を仕事場と家を往復させるようになり、ともすれば時代とともに、軽量化・携帯性、機能性、更には芸術性までもが高められるのは必然で、現在の“虫盒”に至るのです。話が長くなってしまいましたが、改めまして、“虫盒”とは、簡単に言えば、“携帯用飼育ケース”。視点を変えてみれば“虫音源型ウォークマン”。そして、人によっては“虫と音を媒体にする芸術品”となり、虫には興味が無いけど虫盒に全財産つぎ込んでいるというコレクターもいるほどで、美術品としても認知された歴史ある飼育箱といえます。

基本構造・使い方はこちら→


葫蘆〔コロ〕

      写真②

瓢箪〔ヒョウタン〕で作った鳴く虫の飼育ケースです。くびれた形状が拡声器のような役割を果たし、中で飼育する虫の音色をより美しくする効果があります。そのため 中国では、とても良く使われていて、最も一般的な飼育用具の一つと言えます。それだけに奥が深く、現地値でもかるくウン十万円を超えるものまでありますが、その材質や装飾・細工を見ると、素人目にも納得だと思います。原材料のヒョウタンもコロ用に制作している農家もあり、良いヒョウタンを作る有名農家たるものも存在します。 

写真②は葫蘆の展開時のもので、左から、蒙心〔装飾網蓋〕・クアン〔蓋本体〕・銅胆〔反響金〕・葫蘆本体となります。葫蘆本体の木製の入り口部分を“口”〔コウ〕と呼び・ヒョウタン部分のくびれの部分を“腰”〔ヤオ〕と呼びます。基本構造は蒙心や蓋の口径など製品は違えど皆殆ど同じで、銅胆や蒙心はより性能の良いものや、より芸術性の高いものに付け替えることもできます。


 虫管〔チュウカン〕

写真①     写真②

円柱形の鳴く虫飼育容器の総称です。基本的に写真①左の“小”〔竹製〕と、真ん中の“大”〔アクリル製〕の2サイズが主で、小サイズでは、カンタンやカネタタキの飼育に利用します。大サイズはその殆どはアクリル製で、完全にキリギリス用に作られています。キリギリスは色彩等に個体差も激しいので、その容姿を鑑賞することも、音色と同等に楽しみの対象となっていますので、中がよく見えるアクリル製の“大”虫管は、キリギリス飼育者には特に好まれる飼育ケースといえます。その他、ウマオイ用など“大サイズ”よりやや小さい虫管もあります。その他、少数派ではありますが、規格外のサイズの物や、形状・材質にこだわり、中には象牙で作られているものまであります。

写真②は“小サイズ”の本体と部品です。基本的に本体の上部に蓋と蒙心が付き・底部にはねじ込み式の餌入れ兼小窓があります。凝った作りのものでは、よりパーツは細分化されますが基本構造は全て同じです。また、“大サイズ”では、蓋部分の形状が、葫蘆の“コウ”と同じですので、蒙心や銅胆も装着したり付け替えたりすることができます。


蒙心〔モウシン〕

 いわゆる飼育ケース用の網蓋で、その多くは美しい装飾が施されています。基本的に、葫蘆と虫管に取り付けますが、基本サイズは統一していますので、別で入手した蒙心に付け替えることもできます。そのため、中国では、お気に入りの飼育ケースの“模様替え”的に付け替える人が多いです。ただし、基本サイズが一緒とはいっても、飼育ケースを作る職人によっては極微妙な差が生じますので、蒙心の方は若干大きく〔1mm程度〕作られており、ヤスリなどで削って自分のケースにあったサイズにします。現地では、専門店に持ってゆけば、サイズの微調整をし、取り付けてくれます。

蒙心は味気ない飼育ケースで最も華のあるパーツですので、豪華で、美しいものが多く、翡翠・アメジストなどの宝石や象牙などで作られているものもあります。そのため、それ単体でも、美術品・骨董品としての価値が確立し、虫に興味が無くても、蒙心のみを集めているコレクターも少なくありません。いつかは豪華な蒙心も、紹介したいと思います。


銅胆〔トンタンまたはドウタンとも〕

←銅胆本体      ←取り付け時      ←飼育の様子

飼育中の虫の音色を反響させてより美しく、力強い音にするための道具です。真鍮製で、一般的に市販されているものは、全て同一のサイズで、“虫管の大サイズ”と“葫蘆のレギュラーサイズ”に合うようになっています。虫の種類や状況に応じてワンタッチで取り外しができます。この銅胆は、1本の真鍮線からできており、多くの専門店の店主はこれを作る技術を持っています。そのため現地では、市販サイズ外でも、取り付けたいケースを持ってゆけば、そのケースに合ったサイズで作ってくれるお店もあります。

長期使用により“錆び”が出てくると、音色に影響しますので、年に1回、シーズンの始まりに、クリームクレンザーで磨いてから使用すると良いです。


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