“鳴く虫”専門店 〜鳴く虫処 AkiMushi 〜

 

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ホーム道具・用語集〔闘蟋編〕

 養盆

 

闘蟋道具の基本で、平たく言って飼育壷です。ただ、一言に飼育壷と言っても、状況による使い分けがいろいろとあります。たとえば、闘技場に戦士を運ぶための、運搬用養盆。北京など寒い地域の晩秋に使われる底の厚い、防寒養盆など様々です。更には、全く同じ養盆でも使用されている年数・製造されてからの年数により、最も適した使い方というのが変わってきます。

全体的に言えることは、古ければ古いほど良いということです。窯から出した年のものは、まだ熱を佩び、コオロギの水分を奪うと同時に、夏バテのような症状を引き起こさせます。更には時間をかけてアク抜きをする必要があるため、原則として窯出し最初の年のもでコオロギは飼えません。具体的には、10月中旬くらいまでの温かい時期は、なるべく古い養盆を使いそれ以降は新しい年代の養盆を使用するのが良いとされています。初めての方にはバカバカしく聞こえるかも知れませんが、10年目のものと、5年目のものを使い分けて飼育するのと、そのどちらかだけを入れ替えないで、飼育を続けるのでは、微妙な差ではありますが、確実に寿命は変わります。コオロギ飼育を始めた年から古いものを使えというのは無理がありますが、毎年、養盆を買い足すように殖やしていけば、年を追うごとに、コオロギの寿命が伸びていくととなります。

養盆のアク抜きの方法はこちら


 塘底〔トウテイ〕

   右側の写真は、路上で営業するプロの塘低師

これは、ものの名称ではなく、コオロギ用床工事のことを言いいます。養盆の底に、土を敷き、押し固めてより良い床に仕上げる技術で、感覚的には、冷たく滑りやすいフローリング床にカーペットを敷いてやるといった感じです。写真の左側が“塘低加工”が成されている養盆。これをすることによって温度や湿度の急激な変化を和らげ、爪にも優しい。また、防寒の効果もあるので、特に寒い地域では盛んです。中国ではこの塘低加工を専門としているプロもいて、それぞれ使用する土にこだわりがあったりします。古い土壁の土、素焼きレンガを砕いた粉、石炭と、目の細かい砂などをブレンドした土を基本に、貝殻の粉末や、漢方薬・なども混ぜ込む人もいます。塘低用のブレンド土も販売しているので、自分で加工する人も多いです。


 鈴房

コオロギの寝床・シェルターとなります。養盆中のコオロギにより快適な生活を送ってもらうには無くてはならないものです。秋が深まる頃には鳴き声も心細くなり、鈴房の中に篭ることが多くなります。残り少ない余生を慣れ浸しんだ我家でのんびり過ごしたいのでしょうか?大事に飼われ天寿を全うするコオロギの多くは、生涯の最後をこの鈴房の中で迎えます。鈴房を好んで使う愛好家の話によると、有ると無いとでは、寿命が10日ほどは延びるとも言います


 過籠〔グォロン〕と絨球〔ロンチウ〕  

基本的にこの二つで一組を成す道具で、虫を別のケースに移す時や、逃げた虫を捕獲するときに使います。“過籠”は筒状の本体に棒が取り付けられた道具で、ちょうど金槌のような形状をしています。、移動したいコオロギ・逃げ出したコオロギのすぐ目の前に、過籠筒状部分の入り口を差し出すと、物陰に隠れる性質のあるコオロギ達は、迷いもなく、その過籠の中に身を潜めます。一度入ってしまえば、直ぐには出てこようとしないので、もとのケース・移したいケースまで移動し、そこで、強めに一振りすると、ポロッと中のコオロギがこぼれ落ちるという代物です。ロンチウのほうは、耳かきの反対側のボンボン部分とよく似ており、更に大きな作りになっています。これは、コオロギが中々過籠に入らない時に、後ろからそっと押してやったり、逆に過籠から中々出てこないときに、反対側から、フサフサの部分を突っ込み、押し出してやるための補助的な役割を果たします。これらの道具を駆使することにより、虫に触らず移動が出来、足や触覚が取れるなど、捕獲の際に起こりうる大きなリスクを大幅に軽減してくれます、闘蟋家に限らず、鳴き虫を飼育している人なら1セットは持っておきたい道具といえます。


 茜草と草筒  

極小の筆のような形をした茜草は競馬言うところのムチのような役割を持ちます。これを使ってリング上でのコオロギに指示を出し、且つ闘争心を煽ります。材質は様々でネズミの髭・草の繊維などを主流に、イタチの尾の毛、ウソかホントかオオカミの毛まであります。最も一般的に使用されているのは、草の繊維で、中国ではコオロギ草と呼ばれている草を限定的に使用しております。これは、日本でも馴染みのある雑草で、“オヒシバ”と呼ばれているものです。これを収穫し、“蒸し”と“乾燥”を繰り返し、先端がバサバサになったものを、筆状に整えて使います。ただし、オヒシバならなんでも良いというわけではなく、収穫の時期・サイズ等をよく見極めないと、使えるものは作れません。私も作ることはありますが、最初の内は、完成できず、いつもグニャグニャのただの“わら”のようになってしまいました。その他、変わりダネでは、植物質と動物質の混合茜草や、漢方薬を染み込ませたドーピング効果+αのものまで様々です。中国の闘蟋家の道具への執着は凄まじく、皆それぞれ、自分だけの自分に最も合った茜草を持っています。

草筒は、茜草を入れるためのいわば筆箱ですが、茜草は湿度や温度により性質の変化がありますので、それを阻止するためにも、密閉度の高い作りとなっており、外の環境変化を遮断する作りとなっております。ただの筆箱ではありますが、その多くはこだわりを感じる作りの良いものが多いです。


 虫罩〔チュウトウ〕  

     

養盆の中のコオロギを逃がさないように安全に観察するためのものです。テグスで編んだ網を使用しておりますので、殆ど視界を妨げること無く、先が見えます。捕獲直後のコオロギは、養盆の蓋を開けると驚いて飛び出すことがしばしばあるので、それを防いでくれます。中国での活コオロギ〔戦士達〕を売る屋台では、店先に必ずこのチュウトウが配備されており、お客がコオロギを選ぶ際は、そのチュウトウを使いじっくり品定めをします。お客も熟練者ばかりなので、養盆の蓋を開けた際にこのコオロギが逃げそうかどうかはすぐに判断できるでしょうし、実際にチュウトウを使わなくても店主は文句も言いませんが、やはりそこはマナーなのでしょう。


 戥秤〔トウショウ〕

闘蟋用コオロギ専用の体重計です。闘蟋では体格差が大きく不利・有利に働くため、よりフェアな戦いが出来るよう、勝負の前には、必ず体重を測定し、自分のコオロギと見合った階級で戦わせます。通常、闘蟋戦士の体重は0.45g前後が平均値で、各階級の体重差は、ルールや、トレーナー同士の話し合いによっても異なりますが、0.0385g単位毎で階級を定める事が多く、この米粒にも満たない重量差を厳密に測定できるトウショウの性能は大変なものです。というのも、もともとは薬品の分量を量るための道具で、これをコオロギ用に改良・応用している為、その性能は折り紙つきです。   

トウショウの使い方はコチラ


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